司会 |

お客さまから良く言われる要望ってあります?

神保 |

僕らのオフィスつくりは一歩深いところを目指しているから、「どうやったら会社を良くできるだろう」とか「どうやったら社風を一気に変えていけるのか」ということをヒアリングを通じて見つけていく。その中でどの経営者も異口同音で言うのは「コミュニケーション」。これは間違いない。

岡野 |

うん。

神保 |

今の時代は、みんなが考え、生み出していかなければいけない。縦割りにしちゃうとどうしても考えられること、出来上がるものが決まってきて、面白いものが生まれない。
だから、今はもうとにかく「コミュニケーション、コミュニケーション」。
一方、ITインフラ技術って凄く発達したじゃない。テレワークだってどんどん簡単にできちゃう。便利な反面、社員同士のコミュニケーションが希薄になっている。飲みにだって行かないでしょ、今は。

岡野 |

うん。

神保 |

そうするとね、経営者はみんな同じことを言うの、「コミュニケーションだ」って。

岡野 |

そう。チャットとかツールでの繋がりじゃなくて、顔を合わしてコミュニケーション。

神保 |

そう。チャットで話すことと、みんなが集まるスペースで話すことって違うし、伝わるものだって違う。

岡野 |

熱量の伝わり方が違うよね。チャットとかメールだと、簡潔に書きたくなるじゃん。まとめて短く書きたくなる。それに相槌なんかも把握できない。神保さんがしゃっべている時に「僕が頷いている様子」とか「いや違う」と首を傾げている雰囲気は伝わらない。
実は息子がスイッチをやってるのね。友達もみんなスイッチやっていて、ネット上でゲームをするんだけど、わざわざその友達の家にスイッチ持っていって遊んでるもんね。フェイスツーフェイスで。

神保 |

自分の家に居ながらできるのにねぇ。

岡野 |

そうそう。でも、スイッチ持ってわざわざ集まるのよ(笑)

神保 |

これだけITが発達してきていても、みんな行くじゃん、打合せのために出張へ。やっぱり、顔を合わせて仕事がしたいんじゃないかって思う。僕はね。

岡野 |

顔を合わせてないと、仕事は無理かな。

神保 |

働き方は変わるけど、たぶん、そういった本質的なところは変わらないと思ってる。

岡野 |

IBMがテレワークを推奨していたのに止めたでしょ。アップルやグーグルもテレワークを推奨していない。やっぱり顔を合わせないとね。

司会 |

私はオフィスって最終的に、執務スペースが縮小されていっても、会議室だけは残るんじゃないかって考えているんです。

神保 |

会議室っていうか、コミュニケーションスペースかな。技術の発展によって今後は働き方はどんどん変わっていくだろうし、会社に来て「作業」をすることは、たぶん減るんだよ。そんな中でも「リアルなコミュニケーションを取る場」としての役割は無くならないんじゃないかなと思ってる。

司会 |

ただ、正直機能していないコミュニケーションスペースって多くないですか。

岡野 |

ん~ランチルームとかね。お昼しか人がいなくて、後はずっとガラガラ。

神保 |

そうなるのはたぶん、「○○○○な働き方を目指してこのスペースをつくったんだ」「これからうちの会社の成長のためには○○○○な働き方が必要なんだ」っていう経営者の想いや空間創りの目的を、社内に共有できていない場合が多いよね。形だけ作って“場”を用意したから、使いたい人どうぞ使ってください……となっている。

経営者と社員の視点って全く違うからね。当然、経営者にとって必要なオフィスと、社員にとって働き易いオフィスって違う。だから、社員の意見も参考にしつつも、軸は「企業成長のために必要なオフィスは何か」という観点で経営者が判断をするのが理想的だと思いますね。