司会 |

良いデザイナーとは何だと思いますか?

神保 |

お客さまを喜ばせることを一番に考え、実践ができる人じゃないかな。

例えば、アーティストのモノ造りの軸って自分にある、でもデザイナーの軸は自分にあるんじゃなくて、あくまでもお客さま側にあるってことだと思う。当たり前のことなんだけど、実はこれを心から出来ている人は多くないと思う。

アーティストは自分のやりたいことを表現して「はい、これ好きな人買ってください」というように“自分の世界”を売る。超一流のアーティストになると、みんな自分の世界観を持っている。

岡野 |

そう、それで、それを好きな人が集まってくる感じだよね。

司会 |

なるほど、でも表現者として自分で何か表現したくなりませんか?

神保 |

もちろん、もの創りをしているわけだからその気持ちはあるよ。

神保 |

でも、デザイナーがそれを前面に出していくのは少し違うと思うよ。これはビジネスに触れていくと身に染みて分かってくる。「このデザインであれば、あなたの目的は達成します」という提案になる。

あくまで軸はお客さま。自分の世界観を「どう?」って提案することは、やっぱり違うよね。
岡野

まあ、僕から言わせると、神保さんには軸があるんだけどね。神保イズムはある。でもそれをお客さまに納得させられるだけの言葉を持っていることも大切と僕は思っている。それができるのもデザイナーかな。

神保

誤解しないでね(笑) 「このデザインであれば、あなたの目的は達成しますよ」「きっとハッピーになるよ」ということだから。あくまで軸はお客さま。自分の世界観を「どう?」って提案することとは違うからね。